日本切手ノート (7)      14.08.30

★ 朝鮮字入菊5銭横連貼書留封筒

 日本切手ノート(1)を読まれた方から手紙が来て「朝鮮字入の面白い封筒を持ってい
る。ノートの足しになるようなら、使ってもいいよ。」と綺麗なカラーコピーをお送り頂いた。
見ると、何かと話題になりそうな封筒なので、有難くノートに使わせて貰う事にした。

 

 この封筒は、朝鮮字入菊切手5銭の横連を貼った韓国京城より日本の熊本県へ宛
てた書留便である。手紙も同封されているが、内容は話の外であろう。問題点を書
いてみる。

@ この切手は丸一印・韓国京城/35.8.29.(不鮮明だが便号らしき文字が読める)で
   消してある。書留票には「韓国京城」の横書き朱印が押されている。

A 日専には、字入菊5銭切手を貼った丸一便号入京城消印のエンタイヤは未確認と
   なっている。使用は35年で、加刷切手廃止後1年余り経っている。

B 加刷の朝鮮字が右に寄っている。支那字入で右に寄ったものは5銭と20銭等で
   確認されているが、朝鮮字では見た事がない。菊切手の専門家に聞いてみたら
   未使用の存在は報告されているとの事。


 @・Aについては、朝鮮字入切手は明治34.3.31.限りで廃止になっていたが差出人
が買い置きで持っていた切手を使用したのであろう。日専の表がUになっているの
は、その存在の確認が取れなかったからと思われる。それだけ京城で使用した5銭
2枚貼の書留封筒は少ないといえよう。
 Bの偏位加刷については、朝鮮字加刷切手の横連や田型の現物が少なく、朝鮮
字の真偽や加刷字間の寸法を比較するのに苦労した。「日本切手名鑑」を見ると横
連や田型が沢山出ているが、切手商の手持ちは皆無に近かった。蒐集家から何点
かお借りして比較したが、加刷は真正品、加刷字間も問題なかった。
 名品を紹介することが出来て、資料提供のMr.Mに絶大の感謝を捧げたい。面白
い品物や話がありましたら、切手・封筒・資料、何でも結構です。是非、是非ご協力、
お知らせをお願いしたい。元気で続けていきたいと思いますので。


ご意見・ご感想は当社まで メール でお願い致します。 目次へ