日本切手ノート (93)      19.02.16

再び「リタッチ」について

 日本切手ノート(92)で書きました「リタッチ」は、クラシック切手だけではありません。


銘版正常版

銘版リタッチ版

 大村公作氏著の「新昭和切手」の中に、1947年発行「切手趣味週間」小型シート・銘版の
「リタッチ」についての記述があります。
 大村氏は、「どの文字もリタッチされていますが、特に『製』の字が異常な形態ですから、
誰がみてもこれはおかしいと明瞭にわかるものです。」又、「『北斎百年祭』は『切手趣味
週間』のように発行数も多くありませんから、このリタッチ版は更に少ないと考えられます。
使用済が未入手で捜していますが、はたして見つかるかどうか微妙なところです。」とも
記述されています。

 上画像は、「北斎百年祭」の銘版正常版(左)とリタッチ版(右)です。

 正常版 濃い青色で印刷され、全体にシャープです。
      (手彫ですと、初期印刷といったところでしょうか?)
 リタッチ版 淡い青色で印刷され、全体にぼやけた印象です。
      (中期印刷といえば、笑われるでしょうか?)






 上画像のペアは、銘版左2文字の「製造」に修正が入っています。3次昭和や新昭和に
は何十種類ものリタッチが存在するようですが、目に付いたので紹介します。この辺りを専
門に収集されている方には、「何を今更」と言われるかも知れませんが・・・。

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