日本切手ノート (44)      16.03.03

★ 復員郵便の初日使用葉書

 太平洋戦争の終結により、多くの人が海外に取り残されました。この人達に郵便
を出す為に、逓信院は連合軍総司令部(GHQ)の許可を得て、その取り扱いを
昭和
20年11月16日から
始めました。

 この郵便物は
「復員郵便」と呼ばれています。同日付の告示によれば、「日本軍及
び日本人の帰還に関する通信、安否の消息その他個人的性質の内容に限る。」と
制限されていますが、とにかく、連絡が取れる様になりました。


 上の葉書は、待ち兼ねていた家族が、取り扱い開始日の第一便で差し出した郵
便物です。文面では、「外地の将兵にお便り出来る様になりましたので、今日は、早
速安否をお尋ね致したく、ペンを持ちました。」(原文のまま)
 葉書は楠公2銭で、櫛型印・藤沢/料金収納/神奈川県で不足料金を払い、
櫛型
印・藤沢/20.11.16/神奈川県
で消されています。料金収納印に幾ら払ったかは定か
ではありませんが、楠公5銭葉書に2次昭和の乃木2銭2枚と6銭を貼った15銭料
金の復員郵便
(20.12.2)が記録されています。米軍の検閲印が押印されています
が、
20年の検閲印使用は少ないとの事。

参考資料: 大日本帝国郵便始末 篠原宏著  日専2003別冊 日本郵趣協会著

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