日本切手ノート (15)      14.12.10

★ 大ボタ姫路の鏡字

 11月2日のJPSオークションで大ボタ山口の鏡字単片が30万だか40万だかで落札され
た(下図左)。大ボタ単片の値段としては新記録らしい。
 暫く前にジャパンスタンプオークションでそのエンタイヤが出品され、大競争の上、70万だか
80万で落札された事があり、2点目の出現として、注目を集めたらしい。

   
大ボタ山口鏡字  大ボタ姫路  大ボタ姫路鏡字
 
 昨今騒々しい図入年賀印の記録をと思い、古いMSAのオークション誌(JUL.30.1993)を
見ていたら、上図中央の葉書の写真が目についた。大ボタ姫路の鏡字、ナニナニ、私は
この事について全く知識がなかった。日専や他の専門書にも記録がない様である。
以下その記述から引用する。
 『小判1銭葉書 ◎姫路N3B3/20.11.13.ハ 「メ」鏡字 最初期タイプ12万円』とある。同時
に正規の大ボタ姫路を押した葉書(21.1.17.イ)も出品されている(上図右)姫路局でボタ
印を使い始めたのは、明治20年11月と言われているので、最初は取り合えず慌てて
作製したが、落ち着いてから綺麗に彫刻をした印を使う様になったのかも知れない。
時間を追って印影を並べてみたいものである。
 この鏡字について「メ」の字だけが鏡のように記述されているが、よく見ると「ヒ」の字
も鏡字のようにも見える。何人かの識者に聞いてみた。その中にはこの事を知って
いた人もいた。活字での発表は目にしないが、ボタ印の蒐集家の間ではビックリする事
ではないらしい。でも、私の様に知らない人もいるだろうと考えて、記事にした。
 識者によると、数年前のジャパンスタンプオークションで単片が売られた事もあるらしい。
また、関西在住でボタ印の世界一の蒐集家のコレクションの中には封書か葉書かを含め
て、数点の鏡字があると言う。
 鏡字の印影を機械的に反転してみたので、ご覧下さい。随分、稚拙な彫刻である。 

反 転 図 正位置図
 
 ちなみに鏡字の方が13万5千円、正字の方が最低値そのままの7万円で落札され
ている。今時、赤2にでも押されて競売に出てくると、幾らになるのだろう。


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