日本切手ノート (92)      19.02.13

「リタッチ」について

 手彫切手をお集めの方は「リタッチ」という言葉を耳にされた事があると思います。
 この言葉は「再刻」・「加刻」・その他と広い意味で漠然と使われているように思いま
すが、関連の切手のお話です。


③a ③b ③c ③d


 ① 龍100文2版18番の「腕落ち」は加刻されていません。
 ② 龍200文1版31番の「腕落ち」は加刻されました。
 ③ 龍500文2版23番の右龍に傷があります。同じ原版を使った5銭にも傷がありま
    すが、最後までそのままでした。
 ④ 和桜1銭12版11番の切手右側の七宝は、印刷前点検で不備が見付かり加刻
    されました。
 ⑤ ネギ5銭15番の「右ハッチ」も印刷前に見つけられ、加刻されました。

 和桜青1銭12版11番とネギ5銭15番切手の「リタッチ前」は見付かっていないようです
が、どなたか探してみませんか?骨折り損になるかも知れませんが、もし見付かれ
ば大発見です。

 画像として掲載しませんでしたが、下記のような切手もあります。

 ○ 発売後に額面数字を彫り忘れた事に気付いたが、印刷し直さずに筆を使い元
    の紫色のインクで加筆したもの。(鳥15銭「ロ」5番の「十の字」忘刻及び加筆)
 ○ 和桜半銭左側「半の字」上の点を彫り忘れ、半が「キ」の字に見える有名な切
    手も、そのまま印刷され発売された。(和桜半銭4版23番「キ半銭」)
 ○ 彫り忘れて印刷され、途中で原版に手を加えたもの。
    (龍500文の「銭字点落ちを及び点タスキ落ち」)
 ○ 最後まで忘れて気付かず、または気にしないで印刷して発売されたもの
    (和桜青1銭14版2番「桜芯全落ち」)

 蛇足ですが③a③bは殆ど同じような傷ですが、段々と③c③dと傷が酷くなって
いくのがわかります。

 ☆ ③aより壊れていない龍500文2版23番切手はありませんか?
 ☆ ③bは5銭の最初期印刷でしょうか?色は綺麗な青色です。
 ☆ ③dより壊れた切手または再刻した切手はありませんか?

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