日本切手ノート (59) 16.08.02 |
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★ 桜10円切手の色抜けは1種か2種か? |
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1961年に桜を描いて発行された10円切手には、様々なエラーが存在します。見た事のある物では、100面 シートの無目打が有ります。それから、切手帳ペーンの一部が無目打になった物・ロール紙の繋ぎ目に印 刷された20枚ブロック・横に何段か白く抜けたシートなどが有ります。過去には、表現は良くないが目打ち 乱れのクシャクシャな耳紙付ブロックも競売で売られていました。中でも一番奇妙なのは、ゲーベル番号は 有るがシートの全面印刷漏れが記録されている事。これは、糊や其の外の条件で観音の10円シートだと言 われてはいるのですが・・・。 上記のエラー以外で人気のあるのは、色抜けでしょう。日専でも色抜けと無目打は採録されていますが、 記述では「灰味紫印刷もれ」とだけ書かれ、評価では未使用\40,000・使用済\30,000 と付けられた一行だ けです。しかし、これでは一寸不親切な気がして、本欄に取り上げてみました。 スコット型録では、2種の色抜けが採録されています。それぞれ 「#725a Lilak rose omitted」・「#725d Gray omitted」 と記述され、前者の評価は $300. 後者の評価は $260. とありますが、使用済については無評価 です。 |
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左上は、正規の色をした切手です。上中央は、桜の萼の箇所に淡い灰紫色が無く、木の枝に濃い紫色が 残っている切手でスコット型録の #725d と思われます。この色抜けは広島で発見され、広島の蒐集家M氏 の手により何通かの封書にされて、蒐集家仲間に差出されています。名鑑「動植物国宝図案」の fig.67 の 封筒がそれです。右上は、地色のピンク色のみ印刷されているようで、萼の淡い灰紫色も木の枝の濃い紫 色も印刷されていません。所謂色抜けで、スコット型録には #725a として採録されています。これは、完全 なシートや10枚群及び田型も確認されているので、現在色抜けとして流通しているのは、この切手でしょ う。 この際、日本でもこの淡い灰紫色抜けに戸籍を与えませんか?スコット型録では未使用しか採録されて いませんが、未使用は残っているのでしょうか?M氏は全て使用されてしまったのでしょうか?蒐集家に差 出したのは何通でしょうか?等、風化しない内に記録にしておきたいものです。 尤も、この話が動植物の専門蒐集家の間では周知の事だったら、お笑い草でしょうが・・・。 我田引水ですが、このM氏差出の封筒(名鑑に使用した封筒とは別人宛)と #725a の色抜けが、8月の「第 455回タカハシスタンプオークション」に出品予定です。この辺りに興味の有る方は、下見だけでもされてみては如何 でしょう。 |
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