日本切手ノート (56)      16.07.06

★ 旧小判45銭の色々

 今回は、旧小判45銭のお話です。

 旧小判の中で、最も愛されている切手が45銭です。多くの蒐集家が入手するのに
苦労していますが、中でもマルチプルは夢のような話と言われています。未使用田
型は何度か扱った事がありますが、9枚群は手にとって見ただけです。12枚群も有
るやに聞いていますが、如何なものでしょう。使用済となると、横連が1点だけ知られ
ているのみです。この切手は中期白紙・目打10の横連で、大型で良く使用された
丈夫な布目の封筒から切断した on piece です。下にお見せしましょう。


 旧小判45銭で1リーフを作るのは大変な作業ですが、設楽氏の「小判切手の至
宝」
では無地紙と中期白紙で各1リーフずつ発表されています。素敵な切手ばかり
なので、少し外れた切手も紹介しておきましょう。

  

 左上の切手は無目打の使用済です。横浜の白抜“Y”の様に見えますが、如何で
しょう?この切手の紙は、印刷鑑の45銭とは一寸違うように見えますが、識者の見
解では同じ局紙の一種だそうです。しかし、印刷鑑から切断された物だったら、パン
チ穴が有る筈なのですが・・・。
 
上中央の切手は、1975年に「SAMSON」の競売に掛けられ話題になった切手で
す。消印に注目して下さい。この消印は不鮮明ですが、旧蘭領印度の JAKALTA
の消印です。
 
右上の切手は、オランダの10c.切手ですが、先の印が鮮明に押されていますの
で、一緒に並べてみました。

 

 上の切手は双方とも無地紙の45銭・墨点の使用済です。右側のボタ印は好ましく
ありません。左側の○岩代大石は明治8年頃から12年迄開局していた局(後に再開
局)の消印のようですが、この不統一印の記録は有りません。小局が偶然送られて
来た高額切手の墨点を、内緒で使用したと考えるのは?少し無理ですね。以上旧
小判45銭のお話でした。
 おまけで、下に印刷鑑の切手もお目に掛けます。


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