日本切手ノート (6)      14.08.20

★ 産業図案印刷女工6円の「無目打」エラー

 今年の秋に出版される日本郵趣協会の「日本切手専門カタログ」に、昭和切手以降
の無目打切手エラーが装いも新たに採録され、評価が付けられるらしい。今までまと
まった記録が無いのが不思議なくらいだが、記録があっても型録に取り上げられて
いない切手もある。1次円単位の3円切手のように、採録されているが実物の確認が
不確かな切手や、全面目打洩れでは無く、櫛型1段抜けで無目打になるエラーの扱い
等について、統一がとれていないきらいもあった。



(6円無目打横連) (10円無目打縦連) (10円無目打横連)

 左図の画像は記録にはあったが余り話題にならず、勿論、型録にも不採用の切手
である。カラーコピーの提示を受けたので、皆様の記憶に留め記録しておいて頂きたい。
 この切手の所有者は、知る人ぞ知る昭和切手の蒐集家で、関西在住の珠数雅氏
である。入手されたのは十数年前、今は故人の関西の切手商からで、「厳島30銭の
無目打田型が買える程は払ったよ」との事である。
 蒐集界への最初の報告は、東京大学名誉教授・三島良績著「切手集めの科学」に
よってなされた。左下コーナー田型で、下1段櫛型目打洩れの写真が掲載されている。
多分、1シートの確認で、横連で5組、或いは銘版部分の取り方次第では、それ以内の
存在になるかも知れない。上の切手はその内の1点であろう。この際、戸籍を与え、日
の目を見せたいものである。
 櫛型目打1段抜けからの無目打ペアーで確認された切手、及び、その可能性がある
と巷間伝えられている切手をリストしておく。

1次昭和  富士桜20銭  未使用  1段抜確認済
2次新昭和  花鳥(凸)10円  未使用  1段抜と言うが未確認
産業図案  印刷女工6円  未使用  1段抜確認済
2次円単位  円覚寺30円  未使用  1段抜確認済

 また、凹版花鳥10円の無目打縦連の写真(中図)もお寄せ頂いたので、ご覧頂きた
い。この切手は<JAPEX`97>記念出版「新昭和切手・1946-1948」に採録され、日
の目を見たのであるが、それまでは記録のみであった。横連2組がほぼ同時に発見
されたので櫛型1段抜けだろうと言われていたが、これは大きな間違いで、櫛型2段
抜けでないとこの様な横連の形にはならない。縦連と横連の確認は櫛型目打2段
以上の抜けか、全面無目打シートかの存在を示すものだが、櫛型目打2段以上の抜
けは無理があるのでは?この際、全面無目打シートが存在し、全部使用されたとして
おきたい。
 右図の横連は、以前、金杉台三氏の愛蔵品だと言われていた切手である。


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