第二部・日独戦争と俘虜郵便の時代 96 07.08.06 |
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14) 似島俘虜収容所(その3) |
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(先任将校ハスと義捐絵葉書) 海軍砲兵隊大隊長海軍中佐グスタフ・ハス(Gustav Hass・MAK)差出、東京のラン ドグラフ宛の使用例が幾つか知られている。ランドグラフの義捐活動に関する依頼 状やお礼状が多いが、その際のハスの肩書きは“Fregatten・Kapitaen”を使用して いる。これは青島での戦争前の肩書きで、戦時中は”Kommandeur der Landfront” (海正面堡塁)であった。 |
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図403 |
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図403は、大正8年11月6日宇品局発、ランドグラフ宛の俘虜郵便。予めランドグラ フの宛名が印刷されたシールを使用している。複数確認されているので、ランドグラ フと頻繁に連絡を取っていたことが分かる。検閲印は収容所名入、四角型の使用 例。文面はランドグラフから送られた義捐絵葉書(未使用)千枚の受領証、兼お礼状 である。支払代金については習志野収容所の参謀長ザクサー (Ludwig Saxer・Kapitaen zur See)に問い合わせるよう指示がしてある。これらの義 損絵葉書は幾つか知られているが、ランドグラフらの義捐活動の一環として製作さ れたもので、ドイツ俘虜が作成した図案を基に民間の印刷所で印刷した絵葉書を、 各地収容所に配布したものといわれている。ザクサーを俘虜側代表として企画され たと考えられ、ランドグラフとの取次ぎは、ハスと同様に各地収容所の先任将校等 が行ったと考えられる。 これら義捐絵葉書の中から代表的な物を3種紹介したい。いずれも複数の収容所 で使用が確認されている。図404の歩哨小屋図案は、久留米の俘虜が作画した日 本側関係者への感謝状カードを基にしている。 |
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図406 |
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