日独戦争と俘虜郵便の時代 54 04.03.05 |
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27) 郵便検閲制度(その2) |
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・山東の日本郵便局検閲印 |
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図210は、支那加刷紫分銅葉書、青島発、ドイツ人差出、天津宛使用例。 この朱色角型検閲印は、軍事郵便制度下の検閲制度によるもので、前回述べた ABタイプの検閲印とは性格が異なる。大正4年(1915)頃から使用例が確認されて いるが、何れも青島野戦郵便局のものである。 因みに、この紫分銅葉書の印刷用紫インクはドイツ製で、第一次世界大戦により輸 入が杜絶した。その為、無加刷、支那加刷葉書共、大正4年10月1日より刷色を青色 に変更して発行される事になった。(逓信省告示41号) |
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図211は、支那加刷桜連合葉書、青島発、ドイツ人差出、ドイツ宛使用例。丹下氏分 類Aタイプ欧文検閲印の使用例である。 |
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図212 平和記念初日特印・済南/8.7.1. 済南郵便局発・差出人書:For Permission |
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図212は、平和記念切手貼、済南発、ドイツ商社差出、ドイツ宛使用例。 封筒上に “For Permission” 書のある許可申請便である。済南のAタイプ検閲印は 現在まで確認されていない。 ・諸外国の郵便検閲印、検閲封緘紙等 日本郵便局発信の外信便に見ることが出来る連合国側の郵便検閲として、前回 米国の検閲封緘紙を紹介したが、今回はその他の代表的なものとして英国、露国、 仏国の検閲印等を見てみたい。 |
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図213 櫛型・麹町日比谷/5.8.5. 1916年 |
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図213は、田沢旧毛紙20銭貼書留便、麹町日比谷発、デンマーク宛、米国検閲封 緘紙、英国軍郵便検閲印付使用例。 |
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図214 櫛型・逓信省構内/6.7.3. 1917年 |
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図214は、田沢旧毛紙2銭2枚貼、逓信省発、スイス宛、シベリア経由露国検閲印 付使用例。 |
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図215 櫛・YOKOHAMA/23.5.18./JAPAN 大正7年 |
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図215は、田沢旧毛紙10銭貼、横浜郵便局発、仏国宛、仏国検閲封緘紙、同検閲 印付使用例。 封筒上には“VIA SIBERIA” と印刷されているが、米国経由に変更されている。ロ シア革命等の影響で、大正7年(1918)3月より(逓信省告示336号)原則シベリア経 由便は休廃止され、主に米国経由が利用される事となった。 |
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