日独戦争と俘虜郵便の時代 36
      03.07.23

17) 
青島守備軍逓信部第一野戦郵便局

 独立第十八師団郵便部の野戦郵便局は、第一野戦局(龍口、大正393
局)より第十六野戦局まで順次開設されたことは既に述べたが、
同年121日より
同師団郵便部から青島守備軍逓信部へ業務の引継ぎが始まっている。師団郵便
部時代には軍事郵便のみの取り扱いだったが、守備軍逓信部では順次一般の郵
便物も取扱う事となった。引継ぎは
12月中頃には完了し、部隊の移動に伴い所在
地を移動する事の多かった師団郵便部野戦局の整理を行ない、守備軍野戦局とし
11の野戦局にまとめられた。使用した郵便印は師団郵便部時代と同じ物だった
ので、郵便物の日付、差出地の書込、文面等を総合して判断しないと、実際の野戦
局所在地を(特に
12月中頃の日付)混同しやすい。

 守備軍逓信部では、第一(青島)、第二(下王埠庄・李村)、第三(膠州)、第四(高
密)、第五(沙子口)、第六(維県、「実際は三水に維」)、第七(張店)、第八(黌山、
「溜川炭鉱」)、第九(済南)、第十(莱州)、第十一(龍口)の
11局で業務が始まって
いる。(その後、
大正441日より野戦局名が局番号から所在地名に変更され
た。)


図126

 青島市街の郵便局としては、青島入城式前の
大正311月中に、独立第十八師
団郵便部第三野戦郵便局が開設となっている。これは、青島佐賀町にある旧ドイツ
青島郵便局局舎を接収利用したもので、
同年12月中頃までに、青島守備軍逓信部
第一野戦郵便局に業務引継ぎを行っている。
126(佐賀町の青島守備軍逓信部
第一野戦郵便局
(青島野戦郵便局)。

軍事郵便
図127

青島臨鉄本部
図128

 
127は、青島停車場北東にあった臨時鉄道聯隊本部図128 青島臨鉄本部
いた差出人が、青島佐賀町の第一野戦郵便局より差出した軍事郵便である。

櫛型・第一/
4.2.19./野戦局 が押されている。

 臨時鉄道聯隊は、交戦中軽便鉄道の施設に従事した(主に臨時鉄道聯隊第三大
隊)部隊で、青島入城後は山東鉄道の経営にあたる為同所に本部を構えていた。
本部の場所から考えれば、同郵便局までは距離があり大鮑島や天津町等のほうが
近かったが、この時点の青島にはまだ佐賀町の本局しか開設されていなかった。

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